『外交』とはなにか─言葉を考える─
- 日時:2018年10月26日(金)17:00 - 19:00
- 場所:東京大学東洋文化研究所 第一会議室
- 報告者:松方冬子(史料編纂所・准教授)
- ディスカッサント:葛西康徳(人文社会系研究科・教授)
日本史・東洋史・西洋史の専門家がともに議論する上で大きな障害になるのが、言葉の違いである。「外交」はdiplomacyの訳語か、それとも『礼記』の言葉か。「帝国」はkeizerrijk(皇帝の領地)か、empire(命令の行き届く範囲)か。現在の日本の学術用語は、欧文脈(ゲルマン・ラテン)、漢文脈の交わるところに存在し、ときに互いに矛盾する複数の意味を持つことも多い。しかも、ふだん我々はあまりそれを意識していない。「外交の世界史」を記述するために重要な言葉をいくつか取り上げて考察したい。