企画研究

企画研究は、HMCの立案による1プロジェクト5名程度の共同研究とし、当面、2から3プロジェクト程度を4年または3年の期間で実施します。複数の部局から教員が参加し、HMCにはフェロー(兼務教員)として所属することになります。平成29年7月から、「学術資産としての東京大学」及び「21世紀における共生の理論と実践」の2つの研究プロジェクトがスタートしています。

学術資産としての東京大学

代表:鈴木 淳

1877年の創立以来、東京大学は東アジアの学問の蓄積のうえに世界の知を吸収し、近代日本の学術研究の発展の基幹を担ってきました。学知の共同体である大学が、社会や国家や人類といかにかかわることが望ましいのか、歴史として忘れかけたことや、なし得なかったことも含めて、自らのアイデンティティ構築の歩みをふりかえる必要があります。東京大学の大学史全体を学術資産ととらえ、図書館や部局に保存されている記録や文書を参照できるアクティブな仕組みの構築が求められていることから、その創成のために研究科横断的な連携による企画研究をおこないます。

資料提供:東京大学文書館

21世紀における共生の理論と実践

代表:梶谷 真司

共生とはつねに多様な他者との共生ですが、今日における共生の難しさは、この多様性じたいがきわめて複雑で変わりやすいということであろう。国籍や性別に典型的なように、日本人か外国人か、男性か女性かどちらかに単純に分けることはもはやできず、その間には様々なグラデーションが存在し、その境界も状況により変化します。貧困、過疎、教育、労働、障害、病気などに関しても、誰がどこでどのような問題に抱えているのか、かつてよりはるかに錯綜して把握しにくくなっています。そうして私たちは、境界線を引き直しますが、それが新たに排除を引き起こしてしまうことも事実です。これからの共生の問題は、こうした境界と排除のたえざる関係を多面的に考察しなければならないでしょう。本企画はそのために国際的な協働と文理融合の学際研究を目指し、なおかつ、たんに学問的な理論研究にとどまらず、NPOやNGOなどの組織とも連携し、社会的実践としても活動を展開させます。具体的な活動としては、国内・国際ワークショップ、セミナー等の開催、国内・海外調査研究、NPO・NGO等の外部団体との連携活動を予定しています。