TCJSブックトークシリーズ 万葉集と帝国的想像
齋藤希史HMC機構長が司会を務めます。
- 日時:2023年11月30日(木) 9:00 - 10:00
- 開催形式:Zoom開催
- 詳細・申込:https://tcjs.u-tokyo.ac.jp/ja/archives/5985
- 登壇者:トークィル・ダシー/Torquil Duthie(カリフォルニア大学ロサンゼルス校アジア言語文化学科教授)
「万葉集と帝国的想像」 トークィル・ダシー著(花鳥社、2023年11月刊行予定) 七世紀後期から八世紀初頭にかけて、ヤマト宮廷が帝国として文学的に表象された。実際には、ヤマトまたは「日本」は、モデルにした華夏大帝国に匹敵するほどではなかったが、全世界が一人の帝王に支配されるという、つとに漢代およびそれ以前の古典に表明された理念を追い求めた。ヤマトの帝国的国家への転換が促されたのは、七世紀後期の宮廷で読み書き能力が急激に拡張したこと、またその結果、華夏文明のもろもろの行政技法や芸文の諸形態が導入されたことに起因する。本書は、まず上代日本における帝国の文学的レトリックを幅広く考察したうえで、独自の帝国世界としてのヤマト宮廷の表象に『万葉集』における在来語の詩歌がいかに寄与したかという、いっそう特殊な論件に進んでいく。