リエゾントーク

リエゾントークⅣ:本とつきあう──『漢文の語法』復刊をめぐって

  • 日時:2023年4月28日(金)18:30 - 20:15
  • 開催方法:現地×Zoomオンラインのハイブリッド形式
    • 現地参加:東京大学生協本郷書籍部
      現地参加申込:4/14(金)正午から応募開始!
      https://forms.gle/3KkAaixcqVfNi2x49
      ※先着順15名(定員に達し次第受付締め切り)
      ※現地参加の方には、4/27(木)にご案内メールをお送りいたします。
      ※申込後キャンセルされる場合は、お手数ではございますが、hmc-info[at]l.u-tokyo.ac.jpまでご連絡ください。
    • Zoomオンライン参加
      オンライン参加申込:
      https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZIkdOqtrj4rHtakRNB1wi_vjUZ-thpQ0vjz
      ※飛び込み参加歓迎!
  • 登壇者:
    • 齋藤 希史(東京大学連携研究機構ヒューマニティーズセンター機構長・東京大学大学院人文社会系研究科教授)
    • 田口 一郎(東京大学大学院総合文化研究科教授)
  • 主催:東京大学連携研究機構ヒューマニティーズセンター
  • 共催:東京大学消費生活共同組合

リエゾントークは、「つながる人文学」をテーマに、HMCスタッフが企画・運営する学術的討論の場です。今回は、東京大学生協との連携セミナーで、本郷書籍部よりハイブリッド開催します。

本を伝えるとは? 名著復刊はなぜ反響を呼んだのか? 学生時代からの愛読書『漢文の語法』を復刊された齋藤希史先生、田口一郎先生おふたりに、古典と読書について語っていただきます!

本をお持ちでない方も楽しめるお話ですので、オンラインもしくは現地から、是非ご参加ください!

特典
数量限定特別プレゼント!
本郷書籍部サービスカウンターで、『漢文の語法』を活用するための「白文練習帳」(齋藤希史・田口一郎編)を限定配布します。お気軽にお立ち寄りください。
※現地参加者にも同小冊子を配布します。

セミナー関連書籍情報
西田太一郎『漢文の語法』
校訂、解説:齋藤希史 田口一郎
角川ソフィア文庫、2023年01月


ブックリスト

『漢文の語法』(角川ソフィア文庫,2023)とともに読むとよいもの,今回のリエゾントークで話題になりそうなもの,という観点から選びました。(齋藤希史・田口一郎)

1. 比較的入手しやすいもの

a. 漢文世界の理解に資するもの

  • 漢文の話、吉川幸次郎、ちくま学芸文庫、2006
    「漢文」とは何かを知るには、まずこの一冊。
  • 漢文入門、前野直彬、ちくま学芸文庫、2015
    日本における「漢文」について、訓読の歴史も含めて、広い視野から学び直す。
  • はじめての漢籍、東京大学東洋文化研究所図書室、汲古書院、2011
    漢籍に親しむための講演録。東大所蔵の漢籍を利用する手引きにも。
  • 論語(上・下)、吉川幸次郎、角川ソフィア文庫、2020
    人生訓的な読みを排し、字義や伝統的解釈を詳述する。漢文の勉強にも有益。
  • アジアと漢字文化、大西克也・宮本徹、放送大学教育振興会、2009
    アジアにおける文字と言語との多様性から漢字文化を見る。
  • 中国文化史大事典、尾崎雄二郎 他、大修館書店、2013
    手もとで日常的に引いてこそ役に立つ事典。漢文の背景知識が専門的なレベルで得られる。
  • 漢詩入門、一海知義、岩波ジュニア新書、1998
    漢詩に興味のある人は本書から。通読しやすい。漢詩読解の基本的知識が要領よくまとめられている。
  • 唐詩概説、小川環樹、岩波文庫、2005
    唐詩読解の基本書。もと『中国詩人選集』別巻、1958。続編に吉川幸次郎『宋詩概説』『元明詩概説』あり。
  • 中国注疏講義 経書の巻、古勝隆一、法蔵館、2022
    「注疏」の読み方を学ぶのが中国古典読解の正道。説明は明快で随所に学びやすい工夫が凝らされる。

b. 読解の助けとなるもの

  • 支那文を読むための漢字典、田中慶太郎 他、研文出版、1999
    字義を知らなければ漢文は読めない。最小にして最大の効果。陸爾奎・方毅編『学生字典』(上海商務印書館、1915)の翻訳。現在は第9版。
  • 角川大字源、尾崎雄二郎 他、角川書店、1991
    一冊本の漢和辞典として充実した内容。古本でも状態のよいものが手に入りやすい。
  • 漢文入門、小川環樹・西田太一郎、岩波全書、1957
    今日のレベルでは「入門」ではなく、中上級者向け。第三部各体篇は漢文の「文体」を理解する上でも重要。
  • 漢文の読み方 原典読解の基礎、宮本徹 松江崇、放送大学教育振興会、2009
    現代の中国語学の水準で漢文を読むために。専門的な文法論への入門としても。
  • 漢文を基礎から学ぶ、中川諭、東方書店、2023
    漢文の初歩からていねいに説明する。『漢文の語法』の前段階として。

c. 個別の興味に応じて

  • 新唐詩選(正・続)、吉川幸次郎・三好達治、岩波新書、1965
    碩学と詩人によるいまなお新鮮な唐詩読解の手引き。
  • 中国人の機智  『世説新語』の世界 、井波律子、講談社学術文庫、2009
    分裂の時代に政治と文学に携わった人々の言と智を浮かび上がらせる。
  • 楚辞、小南一郎、岩波文庫、2021
    中国文学の淵源の一つである『楚辞』に亡国を嘆く声を聴きとる。
  • 三国志演義の世界、金文京、東方書店、2010
    『三国志演義』を語るならまずここから。
  • 唐代の人は漢詩をどう詠んだか 中国音韻学への誘い、大島正二、岩波書店、2017
    漢詩漢文はもともとどのように発音されていたのか。音韻学の方法を学ぶ。
  • 雍正帝 中国の独裁君主、宮崎市定、中公文庫、1996
    漢文は政治の言語でもある。異民族として中国を統治した皇帝の治世を活写する。
  • 江戸後期の詩人たち、富士川英郞、平凡社東洋文庫、2012
    リルケ研究で著名なドイツ文学者が江戸漢詩の世界をあざやかに描き出す。
  • 劉裕 江南の英雄 宋の武帝、吉川忠夫、法蔵館文庫、2023
    貴族を超えて武人から皇帝となった希代の人物から時代を描く。中公文庫版は1989年。
  • 易経(ビギナーズクラシックス)、三浦國雄、角川ソフィア文庫、2010
    『易』は難しい、から、『易』はおもしろい、へ。『易』が占いであることの本質がわかる。角川「鑑賞中国の古典」版は1988年。

2. 全集・叢書・絶版書・専門書など

  • 漢語文典叢書(全7巻)、汲古書院、1979-1981
    江戸時代の漢文語法書の集成。その知見はいまなお参考になる。
  • 小川環樹著作集(全5巻)、筑摩書房、1997
    中国学の入り口として何を読んだらいいですかと言われると必ず薦める。
  • 中国目録学、清水茂、筑摩書房、1991
    書物の「物」としての性質に注目した学術史。
  • 中国出版文化史、井上進、名古屋大学出版会、2002
    中国における書物と知の歴史を広く見渡す。
  • 唐宋八家文1~4(中国古典選35~38)、清水茂、朝日文庫、1978
    標準的な唐宋時代の散文の訳注。ぜひ復刊してほしい。
  • 中国の散文(中国詩文選1)、吉川幸次郎・小川環樹、筑摩書房、1984
    散文について、深くかつていねいに説く。吉川氏担当部分は遺稿。
  • 近世散文集(中国文明選10)、本田済・都留春雄、朝日新聞社、1972
    特殊な語法の少ない標準的な漢文作品(散文)を読みたい人のために。
  • 近世散文選(鑑賞中国の古典10)、本田済、角川書店、1988
    明・清時代の散文作品をさらに読んでみたい方に。
  • 古代漢詩選(日本漢詩人選集別巻)、興膳宏、研文出版、2005
    中国詩との関連のなかで日本の古代漢詩を読む。近体詩の基礎知識も学べる。

3. 登壇者の著訳書・解説等

  • 漢文スタイル、齋藤希史、羽鳥書店、2010
    漢文世界をめぐるさまざまな話題を気軽な文章で。
  • 漢文ノート 文学のありかを探る、齋藤希史、東京大学出版会、2021
    折々の話題から東アジアの読み書きの森にわけいる。
  • 漢文脈と近代日本、齋藤希史、角川ソフィア文庫、2014
    NHKブックス版は2007年。近代日本の成立を漢文脈から見る。
  • 清国作法指南、W・G・ウォルシュ(田口一郎訳)、平凡社東洋文庫、2010
    文明とは作法と慣習の集積。実地に体験した西洋人による詳細な観察が文化論の隙間を埋める。
  • 荻生徂徠全詩1、荒井健・田口一郎、平凡社東洋文庫、2020
    詩の文脈を徹底的に解き明かす訳注。徂徠のみならず江戸漢詩の根幹をつかむ。
  • 漱石の漢詩、和田利男(解説:齋藤希史)、文春学藝ライブラリー、2016
    夏目漱石の漢詩に早くから注目した著者による先駆的業績。
  • 新版 風月無尽 中国の古典と自然、前野直彬(解説:齋藤希史)、東京大学出版会、2015
    前野中国学のエッセンス。読みやすくも広く豊かな文章を楽しめる。