リエゾントークⅩ:中国体験:二十世紀日本の知の架橋
リエゾントークは、「つながる人文学」をテーマに、HMCスタッフが企画・運営する学術的討論の場です。
本リエゾントークは、HMCリエゾンプロジェクト「吉村栄吉の時代と人々」の一環として開催されます。
- 日時:2025年10月31日(金)16:00 - 18:00
- 開催形式:Zoomオンライン開催
- 登録先:https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/O9kpBxZYSve4DbBWp3Tigg
- 登壇者(登壇順):
- 河野龍也(東京大学大学院人文社会系研究科 准教授)
- 齋藤希史(東京大学大学院人文社会系研究科 教授)
- 稲森雅子(九州大学人文科学研究院 専門研究員)
- 鈴木将久(東京大学大学院人文社会系研究教授科 教授)
- 司会:祝世潔(東京大学連携研究機構ヒューマニティーズセンター 特任研究員)
- 主催:東京大学連携研究機構ヒューマニティーズセンター
概要
今回のリエゾントークでは、20世紀の初頭、日本の知識人が中国体験を経て中国観を形成していった過程およびその体験の幅の広さに注目します。
まず、河野龍成先生に、佐藤春夫の中国体験とその中国観についてお話しいただきます。佐藤春夫はその後の中国研究者に少なからぬ影響を与えたと考えられ、今回のリエゾントーク全体の基盤をなす位置づけとなります。
続いて齋藤希史先生には、吉川幸次郎(1928-31年北平滞在)および奥野信太郎(1936-38年北平滞在)の中国体験に着目し、彼らが中国体験を経て確立した中国研究のスタイルについて語っていただきます。
第三に稲森雅子先生にご登壇いただき、1933年から35年、すなわち吉川幸次郎と奥野信太郎の間の時期に北平に滞在した目加田誠の経験についてご紹介いただきます。あわせて、その体験が研究や翻訳に与えた影響にも触れていただきます。
最後に鈴木将久先生による、竹内好の『北京日記』についてのご報告です。竹内は1937年から39年にかけて、つまり目加田誠のあとに北京に滞在しました。時期の違いに加え、本人の強い個性が相まって、独自の中国観が形成されていきます。体験の時代的背景と人物の特性が交差することで生まれる多様な視点は、本トーク全体の総括をなします。


