賀茂別雷神社の算用状から何が明らかになるのか ─歴史学と会計学から─

  • 日時:2019年10月25日(金)17:30 - 19:30
  • 場所:東京大学 伊藤国際学術研究センター3階 中教室(入場無料 事前登録不要)
  • 報告者:金子 拓(史料編纂所・准教授)
  • ディスカッサント:三光寺由実子(和歌山大学経済学部・准教授)

賀茂別雷神社(上賀茂神社)には、中世から近世にかけての時期を中心に約14000点の古文書が伝来されています(国指定重要文化財)。このうち「算用状」と名づけられた文書は約20%の2800点にのぼります。さらに、賀茂別雷神社の神事や組織を運営する氏人と呼ばれる集団が、毎月恒例の収支を記録した「職中算用状」と呼ばれるものはそのおよそ半数、すなわち全体の約10%にあたる1400点あります。これらは1500年代半ばから1600年代半ばに至るおよそ100年間にわたり、ほぼ毎月のものが残っています。したがってこれら算用状群は、賀茂別雷神社という視点から、戦国時代から織田信長・豊臣秀吉の時代を経て江戸時代に至る政治史をうかがううえでの「定点観測史料」となると考えております。今回は、算用状群の分析がこの時期の政治史研究にいかなる知見を与えるのかを報告するとともに、会計学が専門の三光寺由実子氏をお招きし、日本前近代の会計史研究において、とくに算用状群を用いていかなることが明らかになるのかについてのコメントをいただこうと思います。

主催:東京大学ヒューマニティーズセンター,史料編纂所