オープンセミナー

「そんなつもりはなかった」―コミュニケーションと意図について考える

概要

「そんなつもりはなかった」、「誤解を招いたとしたら申し訳ない」―責任ある立場にある人が自身の発言の問題点を指摘されこうした言い訳をするのを私たちはしばしば耳にします。そうした言い訳を聞くたびに、私たちはうんざりしつつ、「そんな言い訳は通用しない」と言いたい気分になります。でも本当にそんな言い訳は通用しないのでしょうか。通用しないのだとすれば、そもそもなぜそれが言い訳として口にされるのでしょうか。このセミナーでは、「そんなつもりはなかった」という言い訳の背後にあるコミュニケーションの仕組みを紐解きながら、コミュニケーションにおける意図のコントロールのおよぶ範囲とおよばない範囲の境界のあやふやさ(そして、「そんなつもりはなかった」という言い訳が、それが事実に反する虚偽の発言だということに尽きない悪質さをもつ可能性)について考えたいと思います。