博物館の原理に関する研究:空間・集い・経験(1)

  • 日時:2020年2月7日 17時半〜19時半
  • 場所:東京大学伊藤国際学術研究センター 地下1階 ギャラリー1
  • 報告者:新藤浩伸(東京大学大学院教育学研究科・准教授)、北垣憲仁(都留文科大学地域交流研究センター・教授)、今井尚(朝日小学生新聞/都留文科大学卒業生)、前田太二(都留市民)、伊藤瑠依(デザイナー/都留文科大学卒業生)


いま政府は、文化経済戦略、リーディングミュージアム構想等を発表し、博物館の経済的価値に注目しているが、それに対し、経済原理に回収されない博物館の文化的意義を根拠とする反論もみられる。しかし、現状はこの両者の二項対立論が多く、矛盾もはらむ「博物館とは何か」という問いへの考察が深められていない。本研究はこの問いに注目する。

博物館の原理については、近年「コレクション」や「公共性」などの観点からの考察が進められているが、本研究では「空間」「集い」「経験」という概念に着目する。何らかの意図をもって間仕切られた空間に、人やもの、情報が集い、経験が生まれる。これをコレクション以前の博物館の、さらには博物館を含む文化施設の根幹にある原理と捉え、博物館という存在を構成する原理についての研究を進めている。これまで、野外博物館論、限界芸術論、「驚異の部屋」の歴史、経験とは、空間とは何かといった、博物館の原理・歴史に関する文献を読んできたが、中間報告となる本セミナーではそこから見えてきた問いを示したい。

また、本研究は、北垣憲仁氏(都留文科大学教授・動物学)との対話の中で進めてきた。同氏は「都留フィールドミュージアム」の運営に関わり、動物、地域、人を「みる」ことを重視し、博物館の根本原理について考察を深めている。本セミナーでは、北垣氏、および都留フィールドミュージアムに関わってきた方々も参加し、対話の中で進めていきたい。