「生活の芸術」と「生の技法」

  • 日時:2019/12/23(月)17:30 - 19:30(入場無料、事前登録不要)
  • 場所:東京大学伊藤国際学術研究センター3階中教室
  • 報告者:伊藤徳也(総合文化研究科・教授)
  • 主催:東京大学ヒューマニティーズセンター

概要

「モダニティ」を近代化衝動と考えるとするとそれは自己目的(或いは無目的)的審美的衝動と目的合理的功利的衝動に二分することができる。前者の自己目的的衝動(それを「デカダンス=モダニティ」と呼ぶ)は日中比較現代文化論にとっての鍵概念になるのではないか。今回は、その鍵概念を、「生活の芸術」あるいは「生の技法」をめぐる論説に即して検討する。

周作人が提唱した"生活的芸術"を従来「生活の技術」と訳す場合と「生活の芸術」と訳す場合があった。周作人はH.Ellisの"the art of living"論説から影響を受け、周作人から影響をうけたLin Yutangは中国の"the art of living"を語って世界中の読者を獲得した。様々な論者の言う"the art of living(life)"を訳す場合従来「生の技法」「生の技術」といった日本語が当てられてきた。ドイツ語の"lebenskunst"やフランス語の"unart de vivre"が訳される場合もよく似ている。様々な「生活の芸術」或いは「生の技法」論説と「生活の芸術化」論説等を概観しながら、「生活の芸術」と「生の技法」との間の微妙な関係やデカダンス=モダニティの性格を論じてみたい。