ヒューマニティーズセンター オープンセミナー特別回「王の手紙、皇帝の文書:─外交の世界史に向けた韓国、タイ、日本の鼎話の試み」
- 日時:2019年11月29日(金)13:00 - 19:00
- 場所:東京大学 伊藤国際学術研究センター 3階 中会議室
- 報告者:パーワン・ルアンシン(チュラーロンコーン大学准教授)、ティーラワット・ナ・ポンペット氏(チュラーロンコーン大学准教授)、鄭東勲(ソウル教育大学助教)、丘凡眞(ソウル大学教授)
- 司会:松方冬子(東京大学史料編纂所准教授/東京大学HMCフェロー)
- 言語:英語・韓国語・日本語
- 報告は全部英語(PPTは漢字を含む)、質疑は日英韓トリリンガルとし、日英、日韓の逐次通訳を用意し、タイと韓国の先生の横についていただき、適宜ウィスパリングしていただきます。
- 共催:東京大学ヒューマニティーズセンター、東京大学史料編纂所
前近代の外交の世界史を語るうえで、欠かせないのが国書である。しかし、国書が19世紀ヨーロッパ型の外交史の外にあるがゆえに、その多様な具体像は必ずしも十分明らかにされていない。本セミナーでは、タイと韓国から研究者を招き、報告を仰ぐとともに、共通の議論の土台を作ることを目指す。
パーワン・ルアンシン氏(Bhawan Ruangsilp)は、アユタヤ王統記及びオランダ東インド会社文書に記録された国書の分析を通じて、近世のタイとビルマが如何に対話の道を拓き均衡を維持しようとしたかを探る。ティーラワット・ナ・ポンペット氏(Dhiravat na Pombejra)は、オランダ東インド会社がスア王の治世初頭に対シャム条約の更新と平和同盟の延長を企図した際、外務・財務大臣(プラクラン)が、外交上のプロトコルや先例、王の命令などについて会社総督に送った手紙を分析する。鄭東勲氏(JUNG Donghun)は、明の皇帝から宦官を通じて朝鮮に伝えられた非公式のメッセージに、公式の文書には出てこない皇帝の個人的な興味が反映されていたことを明らかにする。丘凡眞氏(KOO Bumjin)は、1644年の清の入関以前における朝鮮国王の冊封文書が合壁であったか否かを問い、同時代の記録から実像に迫る。
プログラム
- 13:00 - 13:20
趣旨説明(松方冬子) - 13:20 - 14:00
シャム=ビルマ外交:1630年代の国書(パーワン・ルアンシン) - 14:00 - 14:40
1703年、スア王の意を得たチャオプラヤー・プラクランからバタフィア総督府宛の手紙:条約、貿易、王の命令(ティーラワット・ナ・ポンペット) - <Tea Break>
- 15:10 - 15:50
口頭と文書による王言:15世紀初頭の韓中関係の二元性(鄭東勲) - 15:50 - 16:30
入関以前の清朝による朝鮮冊封文書の言語(丘凡眞) - <Tea Break>
- 17:00 - 19:00
総合討論