トランプとかまいたち:ポストトゥルースの語用論
- 日時:2021年6月4日(金)17:30-19:30
- 場所:Zoomオンライン開催
- 報告者:藤川直也(東京大学大学院総合文化研究科准教授)
- 申込み:6月2日(水)締切で、下記の様式でお申込みください。
- 主催:東京大学ヒューマニティーズセンター
従来の語用論は協調的な話者の間での効率的な情報交換をモデルに会話を分析してきた。しかし実際のコミュニケーションでは話者は必ずしも協調的でなく、その目的が情報交換にはないこともある。そうした非協調的なコミュニケーションの一例はあからさまな虚偽の語りである。
たとえばドナルド・トランプは自身の大統領就任式での群衆がワシントン記念碑まで続いていたと述べ、それを受けてショーン・スパイサーはトランプの就任式の人出が就任式の観衆としては過去最大のものであったと述べたが、これらの発言が偽であることは種々の証拠から明らかであった(そしておそらくトランプもスパイサーもそのことを知っていた)。
このセミナーでは、こうした非協調的なあからさまな虚偽の語りを例にとり、コミュニケーションにおける情報交換以外の側面について考えたい。