「死の影」と向き合う——近代日本の経営と文学
- 日時:2021年8月27日(金)17:30 - 19:30
- 場所:Zoomオンライン開催
- 報告者:清水 剛(東京大学大学院総合文化研究科教授)
- ディスカッサント:齋藤 希史(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
- 申込み:8月25日(水)締切で、下記の様式でお申込みください。
- 主催:東京大学ヒューマニティーズセンター
- 共催:東京大学現代日本研究センター(TCJS)
近代化の過程の中で、多くの人々は家族や所属していた地域共同体から切り離され、独立した自律的な個人となる一方で、急速に拡大する産業化の中で、人は政府や企業、あるいは軍隊のような何らかの組織の中で生きざるを得なくなる。
このため、一方で共同体を喪失した個人が所属する組織を見出すことができるかという問題が生まれるとともに、他方でそのような組織と個人との葛藤が見出されることになる。とりわけ、「死の影」の下にある社会、すなわちスペイン風邪や結核のような感染症等による死の可能性に人々がさらされている社会においては、組織に所属できるかどうか、あるいはそこで良い生を送ることができるかどうかは深刻な問題となる。
本発表では、経営と文学という、通常は全く異なると考えられている二つの領域においてこのような問題をどのように扱ってきたのかを、近代の日本を例にして考えてみる。併せて、いかに経営と文学とを関係づけられるかについても取り上げてみたい。