オープンセミナー

"Philosophy and theory from the standpoint of their manuscripts and archives: the AITIA project, a transcultural perspective"(「哲学と理論を草稿・アーカイヴという視点から見たとき──AITIAプロジェクト、文化の越境を見すえて」)

  • 日時:2024年7月3日(水)18:00 - 20:00(日本時間)
  • 開催形式:Zoomオンライン開催
  • 使用言語:英語(フランス語・日本語を補助的に使います。フランス語で話された言葉は日本語に通訳します。)
  • 講演者:ベネデッタ・ザッカレロ(フランス国立科学研究センター)/ Benedetta Zaccarello(CNRS)
  • コメンテーター:明星聖子(成城大学文芸学部)/ Kiyoko Myojo (Seijo University)
  • 司会:塚本昌則(東京大学人文社会系研究科)/ Masanori Tsukamoto (University of Tokyo) 
  • 主催:東京大学ヒューマニティーズセンター(HMC)
  • 申込(参加無料・要登録):
    https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZIkce-pqj8iEtDO7bjFaB0J3hkjO0dbaieL

概要

作家、詩人、哲学者たちの残した作品、草稿、日記、書簡などの膨大なデジタル・アーカイヴが、現在ウェブ上に出現しつつあります。それらのアーカイヴを横断するために、どのような視点が必要となるのでしょうか。個別研究ですでに膨大な時間が必要とされるなか、異なった作家、哲学者のアーカイヴを突き合わせながら、どうすれば新しい発見が可能となるのか、現在さかんに議論が交わされています。

フランス国立科学研究センター研究員ベネデッタ・ザッカレロ氏の立ち上げたAITIAプロジェクト(Archives of International Theory - An Intercultural Approach to Theoretical Manuscripts)には、数多くの研究センターやアーカイヴが参加しています。現代テクスト草稿研究所(フランス、Institut des Textes et Manuscrits Modernes)、ベルゲン大学ヴィトゲンシュタイン・アーカイヴ(ノルウェー、The Wittgenstein Archives at the University of Bergen)、ルーヴァン大学フッサール文庫(ベルギー、Archives Husserl de l'Institut de Philosophie de l'Université de Louvain)、マサリク大学アーカイヴ研究所(チェコ、Masaryk Institute and Archives of the Czech Academy of Sciences)、フランス・ポンディシェリー研究所(インド、Institut Français de Pondichéry)等々。ザッカレロ氏は新しい概念が作りだされるとき、そこにかならず多様な伝統、異なった思想背景、複数の言語の横断が見出されることに着目し、草稿や書簡などのアーカイヴの国境を越えたネットワーク構築を提唱しています。概念の形成過程に注目すれば、作品の読解だけでは見えてこない、概念構築のダイナミズムが明らかにできるのではないでしょうか。

この研究会では、ザッカレロ氏にAITIAプロジェクトについて英語でお話しいただいた後、カフカ研究で独自の作品概念を探究、その途上で「編集文献学」という学問領域に出会い、この学問の普及・発展に尽力されている明星聖子先生にコメントしていただきます。