津島佑子の文学──未来へ向けて
- 日時:2024年7月25日(木)16:00 - 18:00
- 登壇者:川村湊(法政大学名誉教授)、中沢けい(法政大学文学部日本文学科教授)
- 司会:村上克尚(東京大学大学院総合文化研究科准教授)
- 開催形式:ハイブリッド開催
- 会場:
- 東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム1[キャンパスマップ]
- 対面参加申込(先着50名、7/23〆切):https://forms.gle/xGU3h1dvf5BYpVZE7
- Zoomオンライン申込:
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZcrdeisrjkrHNEY4pwn_90MB5UStH7vuGcd
- 東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム1[キャンパスマップ]
- 主催: 東京大学ヒューマニティーズセンター
概要
津島佑子の文学は、家族をめぐる執拗な反復を通じて、二〇〇〇年代には世界への広がりを獲得するにいたる。柄谷行人は、津島と親交が深かった中上健次の死からの影響を指摘し、それを津島文学の「転回」だとみなした。「転回」という言葉には若干の違和感があるものの(初期作品と後期作品との連続性については、前回のオープンセミナーで述べたので繰り返さない)、津島文学が現実の様々な人びととのネットワークのなかで、絶えず生成変化していったことは確かな事実だろう。
津島佑子をめぐるオープンセミナー第二回では、早逝した津島と長く関わってきた、批評家の川村湊氏、作家の中沢けい氏をお招きし、津島個人に関する思い出、津島文学の魅力などについてお話しいただく。テクストのみからでは見えにくい、失われやすい様々なコンテクストを浮かび上がらせることができればと思う。
サブタイトルとして「未来へ向けて」という言葉を付した。これは、津島文学の可能性の核心がまだ読まれずにあるのではないか、という予感とつながっている。津島文学の未来の読者に向けて、何らかの手がかりがそっと手渡される場になることを期待している。
関連書籍
- 井上隆史編『津島佑子の世界』水声社、2017年
- 川村湊『津島佑子 光と水は地を覆えり』インスクリプト、2018年
- 中沢けい『アンチヘイト・ダイアローグ』人文書院、2015年