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『マハーバーラタ』インド北方系写本の研究

概要

古代インド叙事詩『マハーバーラタ』は、吟遊詩人たちが口頭伝承で伝えていたものであったが、ある時点で写本に書き写され、それ以降南アジア各地で写本の形で伝承されてきた。現在、南アジア各地の文書館には、幾千・幾万もの『マハーバーラタ』写本が所蔵されているが、先行研究において用いられているのは膨大な写本資料のうちのほんの一部であり、その伝承の多様性や全体像については明らかにされていないことが多い。

本発表では、これまでの先行研究を概観した上で、発表者が行なってきたインド北西部(カシミール系)系統写本およびインド北東部系統写本(ネパール・オリッサー系)の調査の成果ならびに今後の展望を報告する。

関連書籍

  • 赤松明彦『『バガヴァッド・ギーター』──神に人の苦悩は理解できるのか』岩波書店2008.
  • 上村勝彦『バガヴァッド・ギーターの世界──ヒンドゥー教の救済』ちくま学芸文庫2007.
  • 上村勝彦『インド神話──マハーバーラタの神々』ちくま学芸文庫2003. 中村元『ヒンドゥー教と叙事詩』春秋社1996.
  • 明星聖子・納富信留『テクストとは何か--編集文献学入門』慶應義塾大学出版会2015.
  • 高橋輝次『増補版誤植読本』ちくま学芸文庫 2013.

関連するプロジェクト公募研究(A)
「古代インド叙事詩『マハーバーラタ』シャーラダー系写本の研究」