オープンセミナー

「顔」は何を語るのか:漫画と絵巻における顔貌表現の心理学

  • 日時:2023年6月1日(木)17:30 - 19:30
  • 場所:Zoomオンライン開催
  • 報告者:
    • 上田 彩子(日本女子大学 人間社会学部 准教授/漫画家)
    • 上田 竜平(京都大学 人と社会の未来研究院 助教)
  • ディスカッサント:
    • 髙岸 輝(東京大学 大学院人文社会系研究科 教授)
    • 鈴木 親彦(群馬県立女子大学 文学部 准教授)
  • 司会:永井 久美子(東京大学 大学院総合文化研究科 准教授)
  • 申込:
    https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZIscuuvqDoqHtVYXuFvjRpNAznnP4StiyOS/

概要

「顔」は、古今東西を問わず、視覚芸術の主要なモチーフとなってきました。本セミナーでは、漫画と絵巻に描かれた顔をめぐる心理学研究者と美術史研究者との対話をもとに、異なる時代や文化における顔貌表現の普遍性と独自性を探ります。

報告1. 漫画における顔の表現-魅力的なキャラクターとは?-(上田 彩子)
漫画は、文字と絵を融合させて物語を表現する視覚芸術です。この表現様式は、海外の類似した文化の影響をほとんど受けずに独自の進化を遂げた、日本特有の文化のひとつです。こうした独自の表現様式は、漫画におけるキャラクターの顔にも多く認められ、世界における漫画の影響の強さに一役買っています。本講演では、顔の魅力という観点から、漫画の持つ影響の強さの謎に迫ります。

報告2. 絵画作品に描かれた人物顔貌の特性判断(上田 竜平)
「顔」は日常生活場面で多様なシグナルを伝達する重要な媒体であり、これまでに多くの実験心理学的検討が行われてきました。代表的な研究から、我々は他者の顔を「信頼性」と「支配性」の2つの軸に基づいて判断していることが示されています。本講演では、鎌倉時代の絵巻に描かれた肖像の特性判断を題材に顔貌表現とその認知の時代普遍性・特異性を探る学際研究の計画をご紹介します。

協働研究:「顔」は何を語るのか──過去から未来へ