ヒューマニティーズセンターって何? ──若手研究者の活動、紹介します
8月2日・3日に開催される「高校生のための東京大学オープンキャンパス2023」の企画の一環として、ヒューマニティーズセンターは、協働研究「「顔」は何を語るのか──過去から未来へ」の参画教員によるオープンセミナーを行います。
概要
高校生の皆さん、こんにちは。皆さんの中に、文学や歴史、美術などは好きだけれど、仕事に結びつくのか、役に立つのか分からない、研究者になりたいけれど将来が不安、という方はいらっしゃいませんか。人文学とは果たしてどのような学問で、どのように社会と結びつき得るのでしょうか。
今回のオープンキャンパスでは、人文系若手研究者の最新の研究を2件ご紹介します。そのうえで、質疑応答やディスカッションの時間を設けますので、皆さんの疑問をどうぞ投げかけてください。哲学対話で人気の梶谷真司教授と、「高校生と大学生のための金曜特別講座」で司会を務める永井久美子准教授が案内役となり、人文学に対する皆さんの「もやもや」が果たして晴れるか、ご一緒に考えてゆきます。
若手2名の研究発表は、「顔」をテーマとするものです。普段から「見た目問題」が気になっている方も、ぜひご参加ください。考え方のヒントが、きっと見つかると思います。
笠原 真理子「オペラとマンガ──容姿の描写から考えよう」
みなさんは、二次創作された作品を見るとき、どれだけ原作を忠実に再現しているか考えるでしょうか? 今やマンガ大国といえる日本では、あらゆるジャンルの文学作品がマンガ化されています。ここでは、音楽・台本を基に作られる、総合芸術オペラの一作品が、どのように原作であるオペラを脚色して日本でマンガ化され、そのマンガ化にはどのような意図があったのか、登場人物一人の容姿の描き方を中心に一緒に考えます。
水野 博太「儒教と顔 ──こういう時、どんな顔をすればいいですか?」
私たちは幼少期から様々な規範を暗に陽に教わってきたと思いますが、そこに「どんな顔つきをすれば良いか」は含まれていたでしょうか? 日本を含む前近代の東アジアを思想的に支配した儒教は、「礼」により人間の行動をコントロールしようとしますが、その中には「あるべき顔つき」も場面に応じて事細かに定められており、それは儒教の影響を受けたいわゆる「武士道」などを通じて日本にも影響を与えました。東アジアの視点から「顔」の思想史を探究します。
申込:https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZYtdeyhpzkpE9CBo3tQwYB6mvTqVEylfljJ#/registration
- 日時:2023年8月2日(水)13:00 - 15:00
- 場所:Zoomオンライン開催
- 司会:永井 久美子(東京大学大学院総合文化研究科 准教授)
- 報告者:
- 笠原 真理子(東京大学ヒューマニティーズセンター 助教)
- 水野 博太(東京大学ヒューマニティーズセンター 特任研究員)
- ディスカッサント:梶谷 真司(東京大学大学院総合文化研究科 教授)
- 主催:東京大学ヒューマニティーズセンター
※本セミナーは「高校生のための東京大学オープンキャンパス2023」における企画として行われ、高校生を対象とした構成となっておりますが、一般の皆様もご参加頂けます。ただし質疑応答・ディスカッション等においては、開催趣旨に沿った質問に優先的に回答する場合がございますので、あらかじめご了承ください。